裸の王様の表紙

裸の王様

アンデルセン

むかし、ある国に、新しい衣装のことしか頭にない王様がいました。

兵隊の閲兵式にも、芝居にも、馬車での遠乗りにも——王様が姿を見せるのは、いつも新しい衣装を披露するためでした。一時間ごとに着替え、大臣たちが「陛下は会議室におられます」と言うところを、この国では「陛下は衣装部屋におられます」と言うのが常でした。

ある日、二人の男がこの国にやってきました。自分たちは機織りだと名乗り、この世でもっとも美しい布を織ることができると吹聴しました。

色と柄が類まれに美しいだけでなく、その布で仕立てた衣装には不思議な力がある——自分の地位にふさわしくない者、あるいは手のつけようもない愚か者には、決して見えないのだと。

何も載っていない空の織り機の前で忙しく手を動かす二人の詐欺師

「それは素晴らしい」と王様は思いました。「その布があれば、家臣のうち誰が自分の役職にふさわしくないかがわかる。愚か者と賢者の見分けがつく」

王様はたっぷりの金を前払いし、二人に織り始めるよう命じました。

二人は大きな織り機を二台据え、いかにも仕事をしているふりをしました。けれど織り機の上には、糸一本ありませんでした。

「どんな具合か見てまいれ」と王様は、年老いた誠実な大臣を遣わしました。この大臣ならば、布が見えるかどうか確かめるのにうってつけです。

大臣は織り機の前に立ち、目を大きく見開きました。

——何も見えない。

「おやおや」と大臣は心の中でつぶやきました。「わしは愚か者だというのか。こんなことは誰にも知られてはならない。わしが職にふさわしくないなどと」

「いかがですかな、何もおっしゃってくださいませんね」と一人の詐欺師が言いました。

「ああ、これは!」と大臣は眼鏡越しに目を凝らしました。「なんと美しい模様でしょう。なんと見事な色彩。陛下にはきっとお気に召すと申し上げましょう」

「それは嬉しい」と二人は言い、色の名前や模様の特徴を細かく並べ立てました。大臣は注意深くそれを聞きました。王様の前で同じことを言わなくてはなりませんから。

次に、王様はもう一人の役人を送りました。この役人もまた、何も見えませんでした。けれど——

「見事な布です。実に優美だ」

そう言って宮殿に戻りました。

街じゅうが噂しました。素晴らしい布が織られている、見えない者は愚か者だと。誰もが、隣の人にだけは自分が何も見えないことを知られたくありませんでした。

空の織り機を前に感嘆の表情を作る王様と、後ろで頷く家臣たち

とうとう、王様みずから見に行くことになりました。大勢の家臣を従え、あの二人の大臣も一緒です。

「ご覧ください、陛下」と先に見に行った大臣が言いました。「なんという色、なんという柄でしょう」——そして何もない織り機を指差しました。

「これはどうしたことだ」と王様は心の中で震えました。「わしには何も見えないぞ。わしは愚かなのか。わしは王にふさわしくないのか。これは——恐ろしいことだ」

「おお、実に美しい!朕はこの上なく満足である」

王様はそう言って、にこやかに頷いてみせました。供の者たちも口々に称賛しました。見えていないのに、一人として見えないとは言いませんでした。

王様はこの布で新しい衣装を仕立て、間近に控えた大行列で着ることを決めました。

「壮麗だ」「天下一品だ」「比類なき出来栄えだ」——声がこだまのように広がっていきました。

行列の前の夜、二人は十六本の蝋燭ろうそくを灯して夜通し働きました。人々は窓から、彼らが忙しく仕事をしているのを見ました。

二人は織り機から布を下ろすふりをしました。大きなはさみで空中を裁ち、糸のない針で縫い上げました。

そしてこう言いました。

「さあ、衣装の仕上がりでございます」

王様は侍従たちの前で服を脱ぎました。二人の詐欺師は、何かを持ち上げるように両手を差し出しました。

「こちらがズボンでございます。こちらが上着。そしてこちらがマント。まるで蜘蛛の糸のように軽い。体に何もまとっていないようにお感じになるかもしれません。それこそがこの布の真骨頂でございます」

「そのとおりだ」と侍従たちは言いました。けれど何も見えてはいないのでした。

何も着ていない王様が堂々と行進し、沿道の民衆が歓声を上げる

王様は鏡の前でくるりと回りました。

マントのすそを持つ役目の侍従たちは、床の上を手探りし、何かを拾い上げるように両手を広げました。何も持っていないことを悟られるわけにはいきません。

こうして王様は大行列に出発しました。天蓋の下を歩く王様を、通りの人々は窓から、また街路から見つめていました。

「ああ、なんとご立派な衣装でしょう」「マントのすその見事なこと」「なんとよくお似合いの」

誰一人として、何も見えないとは言いませんでした。自分が愚か者だと思われたくなかったのです。王様のどの衣装も、これほどの称賛を受けたことはありませんでした。

そのとき——

群衆の中から一人の子どもが王様を指差している

「でも、なにも着てないよ」

小さな子どもの声でした。

「聞いてごらん、あの無邪気な子の声を」と父親が言いました。そしてその子が言ったことが、一人から一人へ、さざ波のように伝わっていきました。

「何も着てないぞ!」「子どもが言っている、何も着てないと!」

やがて人々は皆、叫び始めました。

「何も着ていないじゃないか!」

王様はぞくりとしました。人々の言葉が正しいことは、もう自分でもわかっていたのです。

けれど王様はこう思いました。

——ここで引き返すわけにはいかない。行列は最後まで続けなければならない。

王様はいっそう胸を張り、いっそう堂々と歩きました。侍従たちは、ありもしないマントのすそを、いっそう高く掲げて歩きました。

おしまい

——物語の奥にあるもの

この物語の原型は、十四世紀スペインの散文集『ルカノール伯爵』に収められた一篇にあります。元の話では「見えない布」は庶子——正当でない血筋の者——にだけ見えないとされ、血統と名誉に縛られた中世社会の恐怖を映していました。アンデルセンはそれを「愚か者と役職にふさわしくない者」に書き換えることで、物語を権力構造そのものへの問いに変えたのです。

注目すべきは、この物語に真の「悪役」がいないことです。詐欺師の二人は触媒にすぎません。嘘を広めたのは、大臣であり、役人であり、街の人々であり——そして王様自身です。全員がそれぞれの理由で沈黙を選びました。大臣は地位を、役人は体面を、民衆は同調圧力を恐れ、王様は自らの正統性を疑われることを恐れた。布を織ったのは二人の詐欺師ですが、「見えている」という嘘を織り上げたのは社会全体だったのです。

そして子どもが叫びます。「なにも着てないよ」と。社会化される前の目は、裸をただ裸として見る。地位も体面も同調も、まだその目を曇らせていない。しかし物語の真に恐ろしい結末は、その後にあります。王様は真実を聞いてなお、行列を続けるのです。侍従たちは、ありもしないマントをいっそう高く掲げる。真実が暴かれてもシステムは止まらない——アンデルセンが百九十年前に描いたこの光景は、SNS時代の集団的自己欺瞞、組織の隠蔽体質、「空気を読む」文化の中で、かえって鮮明さを増しています。

あなたが最後に「見えている」と言ったとき、本当に見えていましたか?